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◆志望動機のワナ…やりたい仕事は具体的でない方がいい!?

今回は、ESまたは面接で志望動機を伝えるときに陥りやすいワナについて書きます。
選考突破のためのポイントとともに、後半はこのテーマについての私の本音を添えているので、よかったらお読みください。



志望動機において、

・将来御社でこういうことをやってみたい!
・御社のこのプロジェクトやこの取り組みを是非推進したい!

ということを、かなり具体的に書くことができる学生がいます。

(例)
御社の○○という商品の大ファンです。しかし私の周りを見るとまだ十分に認知されておらず、残念に感じています。私は御社の広報担当として○○をより多くの方に知ってもらえるような広報活動を行っていきたいです。



まだ入社前であるにも関わらず、
○○がやりたい!
という願望、意思があることは非常に素晴らしいことだと思います。

ところがこういった「具体的に○○をやりたい!」という志望動機は、

かなりの確率で落とされる傾向にあります。
特に
大手企業の総合職で。


なぜか?


大手企業では企業の中にいろいろな職種・仕事があり、それを幅広く任されるのが、いわゆる「総合職」です。


就活生には「いろんなことを経験させてくれる職種」と好意的に捉えられることが多いようですが、
裏を返すと企業目線としては、
「いろんな仕事を文句言わずにやってくれますよね」職
となるワケです。

そうなると、
あまり具体的に
「○○がやりたいです!」と言われてしまうと、

「う~ん、そのやる気は買うけど、もしその仕事と違う部署に配属されてしまった場合、やる気を出して頑張ってくれるだろうか・・・?」

と言ったことが懸念に感じられてしまい、
NG
となってしまうケースが実に多い。

また特に「企画・広報」などの仕事は、大企業の中でも携わる人が非常に少なく、さらに新卒採用でその部署に配属される可能性は極めて小さいことから、

上記のような理由でNGになってしまうことが多いという悲しい事実があります。

(ちなみに、このような理由でNGとなってしまった場合も、当然NGの理由は教えてもらえないので、就活生としては「あぁ、自己分析と企業研究が足りなかったんだ、もっともっとやりたい仕事を具体的にしないと」と考えてしまって、同じ理由で落とされ続ける、という悲しいケースも発生します。就活の闇の一つですね。。)

ただし、これについては企業に対して「ヒドイ!!」と言いたいのではなくて、
結局のところ「総合職」という職種の性質を正しく理解しないといけないということです。



というわけでこのような状況に陥らないようにするための対処方法を2つ、書いておきます。


【方法1】
「やりたい仕事」ではなく、「関わりたい事業」と言ったレベルで多少抽象度を上げて書く

冒頭にあげた例のように、
「御社の商品を多くの人に知ってもらえるような広報の企画をしたい」
と書いてしまうとこれは「仕事」の話です。
一方で、
「御社の商品の認知拡大に関わりたい」
という書き方であればどうでしょう。
「関わる」だけであれば、いろんな仕事での関わり方があります。
広報以外でも、営業としてで新規顧客を開拓する仕事でも、その営業を支援する仕事でも、在庫や生産を管理する仕事でも、
ある意味商品の認知拡大に「関わる」仕事であり、

「あぁ、いろんな仕事を頑張ってやってくれそうだな」

という安心感を読み手に与えることができます。


【方法2】
仕事について書くのであれば、
「大部分の人が配属されるであろう仕事」についての志望動機を書く。

「大手の総合職はいろんな仕事がある」と言っても、最初に携わることになる仕事はだいたい決まっているものです。(多くの会社では、現場での営業に配属されます)

その「大部分の人が携わることになる仕事」について企業研究で調べて、その仕事について、「やりたい!」と書くことができれば、

「少なくとも入社後間もない最初の配属でミスマッチになってしまうことはなさそうだな」

という点で安心感を与えることができます。


以上のように、大手総合職で、
「やりたいことを考えてきなさい」
と言われた場合は、
①「御社の○○の事業(や商品・サービス)の推進に関わりたい」というように適度に抽象的なものであり、
②多くの新入社員が入社後配属されることになる仕事(多くの場合は営業)が「やりたい」ということが伝わるように書けると、合格率は上がります。


さて、

ここからは私のホンネ、

上記のアドバイスと全く反対のことを言うようですが、

もしあなたが、
「このような仕事をしたい!」
という具体的で強い想いがあるのであれば、
それをそのままESで書くべきです。

落とされるかもしれません。
でもそれが理由で落とされるということは、

会社側に、あなたの希望を叶えてあげられる環境が用意出来ない
ということに他なりません。
そんな環境であれば、入社しない方がいいでしょう。
自分をとりつくろって内定をもらって入社をしても、結局のところ会社にとっても新入社員にとってもいいことは何もありません。

従ってこの場合、「落とされる」ことの方が、マッチングの観点からすると、「正解」なのです。


受かりたい、
ということを目標とするなら、この記事の前半のアドバイスを参考にしてください。でも自分に化粧をしすぎると、正しいマッチングをしてもらえない可能性も高い。
要はバランスが大事。
意固地になりすぎてどこからも内定が出ないのも困るし、
八方美人すぎても入社後にミスマッチになりやすい。


どこでバランスをとるかは、
あなた次第です。




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プロフィール

(株)ヴィジブルート代表平川敏章

(株)ヴィジブルート代表平川敏章
京都大学 総合人間学部卒業。
メガバンクを経てITベンチャーで新卒採用担当人事を経験し、起業。人事コンサルとして採用業務にかかわる傍ら、日々就活生のキャリアの相談に乗っています。
これまで人事としてかかわった就活生は10,000人以上。
とにかく情報が溢れかえって自分を見失いがちな就活を、わかりやすく、丁寧に、そして本質的に、サポートするのが僕のミッションです。

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