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◆志望動機…「御社ならでは!」の見つけ方

志望動機を考えるうえで一番難しいのが、


「なぜ、御社なのか?」


という問いに答えること。


御社「でなきゃいけない」理由
と考えると非常に難しいので、
御社「ならでは」の魅力を探しましょう、
という話は前回しました。
志望動機の「型」

なので今回は、
この「御社ならでは」を、どうやって探せばいいかということについてお伝えします。

あらかじめ断っておくと、他の多くの就活のやり方と同様に、この「会社ならではの魅力の探し方」についても、決められた答えはありません。
どんな方法で企業の研究をしてもそれは個人の自由です。「何が正しい」「何が間違っている」といった話ではなく、「いろんな方法で、多面的に」企業の情報を収集しようとする姿勢はとても大切なのでお忘れなく。


その上で、
どういった探し方をすると「御社ならでは」がより見つかりやすいかという点ですが、
下記のような資料を探すのが最も簡単です。
・説明会でもらったパンフレット
・インターネットの新卒採用ページ/ナビサイトのページ
・イベントやOB訪問などで社員から聞いた話


一般的に、上記のような説明会や新卒採用ページで企業は、
「他社とは違う、ウチの魅力はこれですよ!」
と感じて欲しいことを就活生に伝えるはずですから、まずはしっかりと目を通してみましょう。
それでもいまいちよく理解できない、納得できないという場合、
特にそれが上場企業などであれば、
・IR情報
をあたってみることも有効です。IR情報とは、上場企業が開示を義務付けられている、投資家向けの情報です。
財務諸表などのデータのほかに、「中期経営計画」や「投資家向け説明資料」など分かりやすく作られたものも多く、各社ごとの戦略の違いが明確にわかることがあります。



「御社ならでは」が見つかったら?

御社ならではが見つかったからと言って、すぐに「魅力的です!」とつないではいけない。

例えば、
「業界トップだから御社を志望します。」
と言っても、
「なぜ、業界トップだといいの?」ということが読み手に伝わらないので、
「ミーハーなの?ネームバリューあるから?業界トップだからラクして稼げそうとか思ってない?」
みたいな誤解をされてしまう危険性大です。


従って、

なぜ、それが魅力的なのか?
を説明する必要があります。

加えて、「なぜ魅力的なのか?」という理由は、自分の価値観や、就活の軸(=企業を選ぶ基準)と照らし合わせて考えなければいけません。

例えば、
他の項目(例えば自己PR)で
「私の強みは逆境に強いところです!!」
「トップよりも下位から追いかける環境で燃えます!!」
と言っている学生の志望動機に、

「御社は長年業界トップである安定性に魅力を感じ、志望しました」
と書かれていたらどう思いますか?

志望動機どころか自己PRまで説得力を失ってしまいますよね
(この人は本当に逆境に飛び込みたいのだろうか…?と思われてしまう)

では同じ学生が、このように志望動機を書いていたらどうでしょう?

「御社は業界トップであるが故に優秀な先輩や同期が集まると考えており、常に自分の実力よりも圧倒的に高いレベルの環境で自分を磨き続けたいと思い、志望しました。」

このように書かれていれば、自己PRと志望動機の整合性も取れ、そこに書かれている価値観や想いの説得力がより高まることでしょう。


上記でお伝えしたいのは、
書き方次第で、どんな企業でも自分に合っているように見せることができるよ、
ということではありません。


「業界トップ」や
「利益率が高い」というのは企業のファクト(事実)です。
そういった企業のファクトを並べて見て、
ではその企業は自分に合うのか・合わないのか、ということを、自分の頭をフルに使って考える</strong>ことは非常に重要です。

これを行うには想像力と仮説思考が求められます。
つまり、
「業界トップということはこういうことではないか?」
想像力を働かせ、
「だとするとこういう点で自分に合っているのではないか?」
仮説を立て、
その後の選考の場や座談会その他の情報収集において、その仮説を検証していく。

これこそが、ミスマッチのない「入社すべき企業」にあなたを導く、就活の極意です。



少し脱線してしまいました。

このようなことを考えて志望動機が書けている学生を見ると、
選考官としては、

「説得力があるな」

というだけでなく、

先ほど伝えたように、
「想像力」と「仮説思考」ができているな、
つまりは、
「思考力がある学生だな」

という評価につながります。


是非、こういった志望動機の書き方、考え方をマスターしてください!


「御社ならでは」の見つけやすい探し方は、
・説明会でもらったパンフレット
・インターネットの新卒採用ページ/ナビサイトのページ
・イベントやOB訪問などで社員から聞いた話
そして、
・IR情報(主に上場企業)

就活の極意は、
・企業のファクトから企業の特徴や業務内容を想像し、
・自分とどういう点で合っているか/いないかの仮説を立て、
・新たな情報収集により、仮説を検証する
プロセス



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◆志望動機の「型」

今回は志望動機の型について、お伝えします。


【志望動機の「型」】

1.結論
何に魅力を感じているのか、または、その会社で何を成し遂げたいか  

2.根拠 
①魅力を感じる理由、または、成し遂げたい理由
②なぜその会社なのか?
(①と②両方必須)

3.どんな仕事に携わり、何を成し遂げたい(どんな貢献をしたい)か



まずは結論、
御社のこういうところに魅力を感じている(だから、志望しています)
もしくは、
御社でこういったことをしたいです(だから、志望しています。)
どちらの書き方でも志望の理由になりうるので、OK


次に、なぜ魅力を感じるのか?なぜそれを成し遂げたいのか?
の理由を書きます。
理由なしに「魅力に感じています」ということだけを書いても表面的で志望度を感じてもらえないので注意。

(魅力に感じる理由が無い例)
私は貴社の「世界の人々の新しい生活を創造する」という企業理念に深く共感しています。加えて、貴社では一つの事業分野にこだわらず、多角的に事業を展開されていることに魅力を感じました。また、自由闊達で風通しの良い社風も、大変魅力に感じました。

いかがでしょうか?
理念、事業、社風と3点も魅力を挙げているにも関わらず、どこか表面的というか、
「これ、ホームページでうちの会社の特徴を調べて、最後に『魅力に感じています』『共感しています』って付けただけじゃないの?」って思われてしまいそうですね。
実際にそんなつもりじゃなくても、そう受け取られてしまう可能性があるので注意しましょう。

また、魅力に感じる理由について、
必ず自分の過去の原体験に基づいて書くべきといった記事も見かけますが、
必ずしも原体験に基づいていないといけないわけではありません。
『原体験に基づいているわけではないが、しっかりと理由が書けている』
例を紹介します。

IT×マーケティングに力を注いでいる御社で、日本企業の国際競争力を向上させたいと思っております。
なぜなら、今後日本企業が世界規模での競争に勝ち抜いていくためには、従来的な業務効率化によるコスト削減のためのIT活用だけでなく、高度なITの知見を用いたデジタルマーケティングに代表される、売上に直結するIT戦略がより重要になると考えるためです。



次に、
志望理由としてもう一つ大事なのは、
なぜその会社なのか?
つまり、
『その会社ならでは』の理由を書く必要があります。

ここがしっかり書けていないと、選考官によっては、
「え、じゃあウチの会社じゃなくていいじゃん。」
と思われる場合があり、現にそういったことを面接で突っ込まれるケースもよくあります。

これを言われた就活生の本音としては、
「はい、もちろん御社じゃなくてもいいですよ、だって御社以外にも20社以上受けているんですから。」
ということでしょう。
「なので、御社でなきゃいけない理由、なんて聞かれたって、無いですけど。」

わかります。
気持ちはわかりますよ。

でも逆に、人事や面接官の立場になって考えると、せっかく自分の会社を受けに来てくれているわけだから、「なんでウチなの?」という理由を聞きたくなるのも当然です。


従って、ここの部分は、
「この会社で〈なければならない〉理由」
というより、
「この会社ならではの志望理由」
と考えると、少し気が楽になります。

「御社ならでは、をどうやって見つけてくるか?」
という点については、
長くなるので別の記事にて。

ここでは例文を挙げておきます。先ほど出した例の続きです。

その上で貴社を志望する理由は2つあります。1点目は今後IT×マーケティングに力を入れるうえで、御社がこれまで蓄積されてきた業界屈指のシステム開発力と豊富なデータを活用することで、最も顧客の収益に貢献できる提案ができると考えたためです。2点目は御社が日本企業の海外進出を積極的にサポートしている点です。



さて、そこまで書けたら、最後結論の繰り返し。

どんな仕事に携わり、何を成し遂げたい(どんな貢献をしたい)か

で、締めくくります。

「御社の○○に魅力を感じています。」
と締めるやり方もありますが、
そもそも就職活動で志望動機を書く理由は
「御社の株を買いたい」でも
「御社に寄付したい」でも
「御社の商品を買いたい」でもなく、
「御社で働きたい」
ということなので、

どんな仕事に携わりたいか、
何を成し遂げたいか、

と言った内容で締めくくるのがいいでしょう。

以下、先ほどの例文の続き(最後の締めくくり)です

御社に入社出来た際には、私のグローバル環境でリーダーシップをとった留学の経験や研究で学んだデータ分析の経験を活かし、日本企業の海外進出を強力にサポートしていきたいです。



というわけで、志望動機の「型」について、しっかりマスターしておいてください。


【志望動機の「型」】

1.結論 
何に魅力を感じているのか、または、その会社で何を成し遂げたいか  

2.根拠 
①魅力を感じる理由、または、成し遂げたい理由
②なぜその会社なのか?
(①と②両方必須)

3.どんな仕事に携わり、何を成し遂げたい(どんな貢献をしたい)か





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◆志望動機…何を見られているのか?

今回は、志望動機。
いろんな企業で使い回すわけにもいかず、エントリー数を増やせば増やすほど就活生に重くのしかかる志望動機について、解説していきます。


志望動機は、何を見られているのか?


答えを簡単に言うと、

・企業へ入社したいと思っているか?
・(その企業に入社したとして)モチベーションを持って働いてくれるか?

ということですね。

どんなに頭が良くて優秀でも、
「絶対入社する気ないじゃん」という学生を通す意味はないし、
「たとえ入社したとしてもモチベーションが上がらなさそう」な学生は採用したくありません。

加えて、上記の2点を説明する大前提として、

・その企業のことを正しく理解している

ことが大切なのは言うまでもありません。

いくら
「御社に入社したい!」
「御社ではモチベーション持って働きます!」
と言っても、企業のことを誤解していては意味がないですからね。

従って、
志望動機を書くためには企業のことをよく調べて、正しく理解することが必要である。
だから、
志望動機は、手間がかかる。

とまぁ、こういうことです。


さて、
一点補足します。
・企業について正しく理解していて、
・会社に入社したいと思っている
ことを伝えているにもかかわらず、
落とされてしまうケースがあります。

それは、

・会社に対する貢献の意思があるか?

ということ。


例えば、
志望動機がすべて福利厚生や教育制度ばかりだった場合、
「うちに確かに入りたそうで会社の理解も間違ってないのだけど、ちゃんと仕事で会社に貢献してくれるの?」
と思われてしまう危険があります。

例を挙げておきましょう。

私が御社を志望する理由は3点あります。1点目は留学制度です。私は将来海外で学びたいという夢があり、それが御社でなら実現できると考えました。2点目は研修にかなりコストをかけられている点です。これにより、幅広いスキルを効率的に身に着けることができると思います。3点目は豊富な福利厚生プランです。御社でなら、充実したワークライフバラスを実現できると考えております。


いかがでしょうか?


民間企業は利益を出さないと、長期的に存続することはできません。
「お給料を払うわけだから、ちゃんと利益貢献してくれる意思はありますよね?」
これは志望動機以前に、就職をするにあたっての基本姿勢が問われていると言ってもいいですね。



注釈1:
会社への「貢献」と書きましたが、これは何も
人生のすべてを会社に捧げよ。
「給料が少ない」だの「残業が多い」だの言わず、滅私奉公せよ。
言いたいわけでは全くありません。
自分の人生を豊かに幸せに過ごすために、会社に正当な対価(リターン≒給料)を求めることは当然のことです。だからこそ、給料分くらいは会社に対して貢献をする、という意識は最低限持っておきたいですね。
(本当のことを言うと、企業が一人の学生を採用して育成をするコスト、給料以外に福利厚生や社会保険にかかるコストは相当のものです。経営者としては、給料の2倍分くらいは稼いで欲しいところなのです。)


注釈2:
志望動機に留学制度や研修制度を書くことを全否定しているわけではありません。
「志望する理由の一つは充実した研修制度です。これによりスムーズに仕事を覚えることができ、より早く一人前になり、会社の業績に貢献できると思うからです。」と書けると大分印象は変わります。
大切なのは、「貢献しようとする意思はあるか?」ということです。



【志望動機は何を見られているのか?】
①企業へ入社したいと思っているか?
②入社した場合、モチベーションを持って働いてくれるか?
③企業に利益貢献をしてくれる意思が感じられるか?
*その前提として、企業理解は必須!





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企業選びの軸、とは何か!?

「企業選びの軸(就活の軸)を教えてください」


面接などでよく聞くこの質問、

分かったようでよく分からない、この
「企業選びの軸」
とはいったい何なのか?
というかその前に、この質問で面接官はいったい何を知りたいの?


答えを言います。


この質問の意図は、

「あなたはどんな基準で企業を選びますか?」

そこから面接官が知りたいことは、

ズバリ
志望度(マッチ度)です。




「志望動機を教えてください。」

と質問しても当然自社にとって良いことしか言ってくれない(本音が見えづらい)ので、

「企業選びの軸を教えて下さい」
(=どんな基準で企業を選びますか?)
と聞いて、
その基準に自社がマッチするかどうかを、面接官が判断するわけです。



敢えて例えるなら、合コンでいう、

「ねー、君ってどんなタイプの人が好きなの?」

っていうのに近い。



従って、
「企業選びの軸を教えてください」
の質問に答えるときは、

「それってどんな企業が当てはまって、どんな企業は当てはまらないんだね」

というのが具体的にわかるものでないと、
回答として、全く意味をなさない。

先の合コンの例でいうところの、
「私と気が合うタイプの人です」
と言われるくらい噛み合わない。

「だからそれはどんなタイプやねん!」
と思わず面接官は心の中で叫びたくなります。



例を挙げると、

「誰かに感謝される仕事がしたい」
(←それってほぼ全ての仕事がそうじゃないの?営業でも事務でも経理でも)

「人と関わる仕事がしたい」
(←これまたほぼ全て当てはまりそう。逆に人と全く関わらない仕事って何だろう?)

「成長できる会社に入りたい」
(←あなたにとって成長とは?/成長できる会社とできない会社をどう見分けるのかを教えて欲しい)


このように、面接官の質問の意図と、学生の答えが著しくズレてしまっていることが非常に多いんです。



より良い答えとしては、

「金融業界に関わりたい」
「営業の仕事がしたい」
「途上国の発展に関われる仕事がしたい」
実力主義の会社がいい」
「優秀なと働ける職場がいい」
社風がアットホームな環境がいい」
企業理念で自然との共生を掲げている会社がいい」
業績が伸びている企業がいい」
残業が月40時間は超えない会社がいい」
「20代で年収1,000万円をねらえる会社がいい」
etc.

などの方が、より面接官の意図に沿った回答になります。


もちろんそれの次に来る質問、

「どうしてその軸なんですか?」

への答えも忘れずに準備しておきましょう。



企業選びの軸
どんな基準で企業を選ぶのか?の判断基準
つまり、
「どんな会社が当てはまって、どんな会社が当てはまらない」
ということが言えるものでないと、軸として機能しない!



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◆書いた自己PRを自分でチェックする

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~面接を難しく考えすぎてしまう人へ~

日々面接官をやっていて、ふと思ったこと。


面接官の仕事って、
要するに、



イメージする仕事である。




結局のところ、面接とは、

目の前にいる学生がもしこの会社に入社した場合、
数年たって、しっかり活躍してくれているだろうか?

をイメージする仕事なわけです。



本当は履歴書の情報だけでそれが全部イメージ出来ればいいのだけど、
残念ながらそうはいかないので、

いろいろ質問をして学生自身の情報を教えてもらって、
頭の中での入社後の活躍イメージをできるだけリアルに作り上げていく。



要するにこれが面接というものの本質です。



いいところも、
悪いところも、
全部教えてもらって、


"うん、まぁおそらく活躍できそうだな、
うまくすると最大限に能力が発揮出来ちゃった場合、こんなすげーことやっちゃうかもな、
逆に伸び悩んじゃった場合は、こんな風になっちゃうリスクはあるな、
ま、でも仮にそうなっても、こうやってフォローすれば這い上がってくれるだろうな"



みたいなことを一通り頭の中でイメージして、納得出来たら、


合格!


となるわけです。





そしてこの、



”入社して数年で、しっかり活躍できるだろうか?”

というのは、

面接を受ける学生にとっても極めて大事なことのはずです。



従って、僕に言わせれば、

面接官と、面接を受ける学生の目的は、

ほぼほぼ同じである。



つまり面接とは、


同じ目的を持った、
面接官と学生との共同作業である。



このことに気づいて自然な自己開示をしてれる学生に対して、面接官はとても良好な協力関係を築くことができます。
(そういう面接ができた回は、本当に気持ちがいいです。)

逆に面接官に悪いところを見せまいとして対決姿勢で臨まれると、おのずと面接官としても、疑いの目で隠れた真実をあぶりだそうとする姿勢になってしまいます。

悪い面もちゃんと知らないと、
「入社後、順調にはいかなかった場合にどうなってしまうか?」が正しくイメージできないからです。
(こういう面接をしてしまうと、面接官としても気持ちよくはないし、学生さんに本当に申し訳ない気持ちになります。)



というわけで、結論、



【面接を難しく考えすぎてしまう方、面接が怖い方へ】

面接官と学生との目的は同じ、
面接官がイメージしやすいように素直に自己開示をすれば、おのずと協力関係が生まれ、結果もついてくる!





次の面接が、うまくいきますように(^^)



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◆「自己PR」受ける企業によって、強みを書き分ける(違う強みを書く)べきか?

自己PRというと決まって気になるこの疑問、


『受ける企業によって、強みを書き分ける(違う強みを書く)べきか、否か?』


多くの自己PR対策の記事を読むと、「書き分けるべき」とありますが、
結論からいうと、「原則、書き分けないでいい」と考えてください。
(一部例外あり。後半で説明します。)


なぜ、書き分けないでいいのか?
理由を2つ説明します。



【理由1】.ポテンシャル採用(未経験歓迎の採用)において、企業で活躍できる素養はある程度共通している。

例えばあなたの強みが、「粘り強く努力できる」だとしましょう。


いろんな企業で人事を経験してきましたが、
「努力しちゃう人は要らないんだよね・・・」という企業には出会ったことがありません。

このように、企業Aに入社して役に立ちそうな強みは、企業Bでも企業Cでも役に立つ可能性が結構高い。

「相手の立場に立ってコミュニケーションが取れる」
についてもそう。

「協調性がある」
「筋道だてて考えることができる」
「なんにでも情熱を持って取り組める」
「周りに気遣いができる」
「とことん突き詰める」
「周囲を巻き込める」
・・・
なども同様です。


あなたが上記のような強みをアピールしようとするのであれば、多くの企業の多くの仕事に対して、その強みは間違いなく役に立つもの。
もちろん、企業によってより重視するポイントは違いますが、その強みがあるからと言ってマイナスポイントになることはめったにありません。
※ここまで読んで、企業によってより重視するポイントが違うのであれば、自己PRもかき分けるべきでしょ?って思った方、鋭い!!その疑問を持ったまま、もう少し読み進めてみてください。



【理由2】強みとは、「~~が得意」ということ。「~~ができる」ということとは大きく違う。

例えばあなたの自覚している強みが、
「粘り強く努力できること」
だったとしましょう。

一方でこれからESを書こうとしている企業の人材要件に、
「協調性がある人来てください!」
と書かれている。

ん、これは自分の強みとは違うじゃないか!?
ということで、
あなたは慌てて自分の過去のエピソードを振り返り、「自分に協調性がある」と言える
ようなエピソードを見つけて自己PRに書こうとするでしょう。

このようにして書かれたESでは、
多くの場合、読み手(選考官)に伝わるのは、せいぜい、
「この人には協調性がある」
ということくらいで、
「協調性がめちゃめちゃ強い人だなぁ」とは思われないでしょう。
他の候補者で、
本当に協調性を強みとしている人
と比べると、その差は歴然となるはずです。

「得意である」
ことと、
「それが(人並みに)できる」
というのは大きな違いがあります。

例えるなら、
「ステーキが大好物です。」と、
「まぁ生野菜も食えます。」
くらいの違いがある。


なので、「(人並みに)できる」ことを「強みです!」といってアピールしても、
「別にそれ普通だよね」と思われて伝わらないだけでなく、
「これくらいのことで強みと言っているわけだから、他のことに対してはもっとできないのかな?」
というように類推され、本来の強みであるはずの「粘り強い努力」についても実際より低く評価されてしまうことさえあります。

自己PR書き分け

以上の理由から、自己PRについては、(一部例外を除いて)書き分けなくていい。
自分が最も強みと思えるものを、堂々と書きましょう!



さて、では気になる「一部例外」とはどんな場合でしょうか?

それは上記【理由1】 【理由2】の裏返しになります。

つまり、
①自分の強みが、どう考えてみてもその会社の仕事に活かせそうもない時
例えば
全く人とのコミュニケーションがないような仕事(そんな仕事はあまりないのですが)なのに、
「コミュニケーションが強みです」というPRは、確かに評価されないでしょう。

②自分の自覚している強みが複数ある時
自分が自覚している強みがいくつもある場合は、その会社の人材要件によって書き分けることは有効です。


以上、
企業の研究をして、仕事のイメージを自分なりにしてみることはとても大切です。
そのうえで自分の強みが「少しでも活かせそうだ!」と思うのであれば、
遠慮なく、自分の自覚している強みをPRしましょう!



【自己PRの強みは企業によって書き分けるべき?】

原則書き分けないでいい。
強みがいくつもあるなら書き分けてOK。強みでもないものを無理にアピールするのは得策ではない。






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◆「自己PR」…何を見られているのか?/自己PRの「型」

今回は、「自己PR」についてです。
ガクチカと並んで、よく出題されるお題ですね。

企業は「自己PR」で、あなたの何を見ているのでしょうか?

日本の新卒採用の多くは「ポテンシャル採用」「未経験者でも歓迎」となっています。
そんな一般的な新卒採用において、自己PRで見られているのは、


その企業で活躍するための能力・長所を持っているか

ということであり、必ずしも資格や実務経験を聞きたいわけではない


という点に注意してください。
(一部の専門職・研究職・クリエイティブなどを除く)


そして、「ガクチカ」同様、「自己PR」にも伝わりやすくする為の型があります。


こちらが「自己PRの型」です。



【自己PRの「型」】

1.アピールポイント、結論

2.その根拠となる具体例の概要・成果

3.根拠となる具体例
(1)課題・問題、なければ目標(自分が頑張った理由があるはず)
(2)具体的行動
(3)結果

4.結論+会社でどう活かせるか





具体例をお見せします。

私の強みは「自分で立てた目標に向かってあきらめずに努力する」ところである。私は中学生の時にフランス文化に興味を持ち、「大学に入ったらフランスに1年間留学する」と決めた。最初は不安に思っていた両親に対して、「留学費用はアルバイトで稼ぐ」「4年間で卒業する」「フランス語だけでなく英語の勉強にも力を入れる」ことを約束した。
そのため、大学では1年次から週4で1限~5限まで授業を履修し、通学時間で予習復習を行い、残りの平日1日は語学学習に充て英会話レッスンに通った。夜間及び週末はアルバイトに時間を費やした。特にテスト前などは睡眠時間が十分に取れずに体力的に厳しく、両親も留学費用の援助を申し出てくれたが、自分で決めた目標を放棄することが許せなかったため、諦めずにやり遂げた。結果、1・2年次で卒業単位をほぼ取得して、3年次に1年間の留学を果たした。この強みを活かして、今後仕事で困難に直面した際も、目標に向かってあきらめずに努力を続けられると考えている。



まずは原則2(結論をはじめに)の通り、自分がアピールしたい内容や長所を書き、
その後に、根拠を具体例を用いて説明していく
といった流れです。
ですから、最初の文は、「私の長所は○○です。」「私の強みは■■です。」と言った書き方で構いません。

上の例文で言うと、以下の部分です。

私の強みは「自分で立てた目標に向かってあきらめずに努力する」ところである。



それが書けたら、今度はそれが自分の長所、強みだと言える根拠の説明です。

例えば自分の強みが『忍耐強く努力ができる』だったとして、それをどうやって説明するか?
「親からよく言われます」「友人もみんなそうだと言っています」「先祖代々忍耐強いので遺伝です」といっても説明になる訳はないので、
過去にその強みが発揮された具体例で説明するしかありません。

そこで、

 2.その根拠となる具体例の概要・成果
 3.根拠となる具体例
(1)課題・問題、なければ目標
(2)具体的行動
(3)結果


となるわけです。


先に挙げた例でいうと、それぞれ以下の部分です。

(1)課題・問題、なければ目標

私は中学生の時にフランス文化に興味を持ち、「大学に入ったらフランスに1年間留学する」と決めた。最初は不安に思っていた両親に対して、「留学費用はアルバイトで稼ぐ」「4年間で卒業する」「フランス語だけでなく英語の勉強にも力を入れる」ことを約束した。


(2)具体的行動

そのため、大学では1年次から週4で1限~5限まで授業を履修し、通学時間で予習復習を行い、残りの平日1日は語学学習に充て英会話レッスンに通った。夜間及び週末はアルバイトに時間を費やした。特にテスト前などは睡眠時間が十分に取れずに体力的に厳しく、両親も留学費用の援助を申し出てくれたが、自分で決めた目標を放棄することが許せなかったため、諦めずにやり遂げた。


(3)結果

結果、1・2年次で卒業単位をほぼ取得して、3年次に1年間の留学を果たした。



お気づきのように、この部分の書き方は「ガクチカ」と全く同じですね。
ピンとこない方はこちらの記事を見てください。


根拠が説明出来たら、最後にもう一度結論を書くのですがここで一工夫。
ESで自己PRをする目的はあくまで、
私はこんな強みを持っているので、御社で活躍できます。

ということを企業にアピールすることなので、単に「強みは○○です。」と繰り返すだけでなく、
その会社でどのように活かせそうか?
ということまで書いてあげるとより親切でしょう。

先に挙げた例でいうと、以下の部分です。

4.結論+会社でどう活かせるか

この強みを活かして、今後仕事で困難に直面した際も、目標に向かってあきらめずに努力を続けられると考えている。



以上、最後に自己PRの型をもう一度挙げておきます。
型を参考にして、説得力のある自己PRを書きましょう!



【自己PRの「型」】

1.アピールポイント、結論

2.その根拠となる具体例の概要・成果

3.根拠となる具体例
(1)課題・問題、なければ目標(自分が頑張った理由があるはず)
(2)具体的行動
(3)結果

4.結論+会社でどう活かせるか





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◆ガクチカチェックポイント②③・・・行動は「具体的」か?/それは誰の努力か?

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◆ガクチカチェックポイント①…「努力は書けているか?」

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プロフィール

(株)ヴィジブルート代表平川敏章

(株)ヴィジブルート代表平川敏章
京都大学 総合人間学部卒業。
メガバンクを経てITベンチャーで新卒採用担当人事を経験し、起業。人事コンサルとして採用業務にかかわる傍ら、日々就活生のキャリアの相談に乗っています。
これまで人事としてかかわった就活生は10,000人以上。
とにかく情報が溢れかえって自分を見失いがちな就活を、わかりやすく、丁寧に、そして本質的に、サポートするのが僕のミッションです。

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